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「に」について、「やりもらい」表現について

 投稿者:soba95  投稿日:2009年 6月28日(日)22時45分9秒
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  「土産に酒をもらう」の「土産に」は「〜として」のような意味合いで、「もらう」との結びつきはそれほど強くないでしょう。「太郎に酒をもらう」の「太郎に」は、酒のやりとりをする際の酒の授与者を表していて、「もらう」動作の必須の参加者ですから、動詞型として、「AにBをもらう」という形で憶えるべきものです。英語でも、look at A の場合は、Aに何が来ても「look at」で1つの他動詞のようにまとまっていて、1つの熟語として憶えるし、at one o'clock の場合は、動詞に何が来るかは関係なくて、「at+時刻」という形で憶えます(ただし、at one o'clock に比べると、「土産にもらう」は動詞の制約が強く、「動詞と関係なく」とは言い切れない所もあり/類例「えさにミミズを使う」など)。英語では、例えば、前置詞inには多くの意味用法があるが、最近では、根本義(「ある領域内にある」)の発展拡張によって統一的にイメージできるようにしよう、という傾向があるので、同じように考えれば、この「〜に」も、何か統一的に説明できればいいのですが、それはまたいずれ(「〜の地点で」「〜のポジションで」「〜という資格で」などの感じが共通するような気がしますが)。
もうひとつは、いわゆる「やりもらい」表現の問題です。これは、英語のgive/receiveと比べると少しやっかいです。「私は太郎に本をあげた」の「太郎に」は受領者を示すが、「私は花子に本をもらった」の「花子に」は授与者を示します。前者は英語のSVOO型と類推が可能で、わかりやすいですが、後者は一見英語のSVOO型のようですが、英語ではこの意味はSVOO型では表さないでしょう。一見同じ型で一見同じ位置にある人が「授与者」と「受領者」に分かれるところが要注意です。
次に、「花子が私(私の息子)に本をくれた」は「あげる」と似ていますが(授与者が受領者にモノを〜する)、受領者が「話し手(または話し手が自分の領域内にいると感じている者)」でなければならない(そして授与者は領域外にいる)という点が要注意です。
「花子が太郎に本をくれた」は、「私」が「太郎」の利益を自分の利益のように感じているということでなければ、×です。当然「私は太郎に本をくれた」は×。ところで、これと裏腹の関係にある「太郎は私に本をあげた」も×です。「話し手の利害」が色々関係するようです。
この「やりもらい」は「モノ」のやりとりだけでなく、動作のやりとりにまで拡張されていくので(「作ってもらう」「作ってあげる」「作ってくれる」)、重要表現です。恐らく韓国語にも、こういう一筋縄ではいかない「やりもらい」表現があるのではと推測しますが、いかがでしょう。
 
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